エロ体験談

匂いが武器になったデリヘル嬢の密室

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執筆:編集部(原記事に基づく再編集) 編集部による品質基準審査済み
匂いが武器になったデリヘル嬢の密室

正直に言えば、この仕事を始めたころの私は、ずっと怯えていた。自分の体臭が、何よりも恥ずかしかったからだ。中学生の頃から強いワキガに悩まされ、さらにスソガの自覚まであった私は、夏になるたび制汗剤を何本も買い足して、少しでも気配を消そうとしていた。

けれど、あれほど嫌っていた匂いが、まったく別の意味を持つ場所があった。デリヘルの現場だ。最初は信じられなかった。隠すべきものだと思っていた自分の匂いが、常連客の一部にはむしろ強く刺さり、忘れられない印象として残っていったのだ。

「……ああ、この匂い。たまんないよ、サキちゃん」

ホテルの部屋に入って、服を脱いだ瞬間だった。薄い空調の風に乗って、私の体臭がふっと広がる。脇の下から立ちのぼる、ぴりっとした刺激のある匂い。下着を外した途端に押し寄せる、湿った重みのある匂い。それらが混ざり合って、狭い部屋の空気をじわじわと塗り替えていく。

普通なら、眉をひそめる人のほうが多いはずだ。けれど、私の前に現れる常連客たちは違った。むしろその匂いを追いかけるように、息を深く吸い込み、目を細め、逃がすまいとばかりに距離を詰めてくる。

「……嗅いで、いいですよ。今日は、いつもより蒸れてるから」

私はそう言って、ベッドの上に身体を預けた。全身をさらけ出すたび、胸の奥で少しだけ怖さが揺れる。それでも、もう引き返すつもりはなかった。

田中さんは、私の股のあいだに顔をうずめると、獣みたいに長く息を吐いた。名前は仮名だが、彼の執着だけは本物だった。

「……っ、最高だ。この酸っぱい感じ、濃くて、逃げられない。これがないと、もう反応しないんだ」

彼の声は、熱に浮かされたように掠れていた。私はその様子を見下ろしながら、妙な感覚に包まれる。かつては誰にも近づいてほしくなかった匂いが、今は誰かの理性をほどいていく。その事実が、怖いのに、どこか救いでもあった。

彼は私の肌に触れ、匂いを確かめるように何度も深く吸い込んだ。私は息を整えながら、彼の動きに身を委ねる。やがて彼の舌が、熱を帯びた場所をゆっくりとたどりはじめた。

じゅる、じゅぷ、と濡れた音が、小さな部屋の中でやけに鮮明に響く。体の奥からにじむ熱と、私自身の匂いが混ざり合い、空気はどんどん濃くなっていく。制汗剤で覆い隠したときには決して生まれなかった、生々しい匂いだった。

その匂いに、彼はますます夢中になっていった。指先は震え、呼吸は荒くなり、私の身体を抱く力だけが妙に強くなる。私はその変化を、肌で、音で、気配で感じ取っていた。

「……先生、今日も、中に出していい?」

彼はいつも私をそう呼ぶ。担任でも何でもないのに、まるで教えを乞う生徒のような調子で。匂いに取り憑かれた男が、私を神妙な顔で見上げる。その滑稽さが、なぜか嫌いではなかった。

「いいですよ。田中さんのも混ぜて、もっと濃くしてください」

私がそう答えると、彼は喉の奥で小さくうなり、私の腰を抱え込んだ。次の瞬間、彼の身体が一気に熱を帯びる。奥まで押し込まれる感触は荒々しく、けれど不思議と乱暴というより、必死だった。

ぐちゅ、ぱちゃっ、と湿った音が重なり、ベッドの上に置いたタオルの端まで熱が伝わっていく。彼の荒い鼻息が何度も私の股の間をかすめ、そのたびに、私の匂いを確かめるような反応が返ってくる。私はその執着を受け止めながら、ただ呼吸を整えた。

「っ、あ……匂う、サキちゃんの匂いが、頭にくる……っ!」

彼は言葉を切りながら、何度も腰を打ちつけてきた。私のワキに浮いた汗を指先ですくって、そのまま口へ運ぶこともある。首筋に顔を寄せ、熱を確かめるように舐めることもある。どの仕草も、まるで匂いを味わうためだけに生まれたみたいだった。

結合したあたりからは、白く泡立ったようなものがにじみ、腰の下の布へ少しずつ染みていく。私はその感触を見つめながら、胸の奥が静かにざわつくのを感じていた。嫌悪ではない。かといって、単純な快感でもない。もっと複雑で、もっと深いものだ。

「……出す、出すぞ……っ!」

彼の声が、ひどく切迫したものに変わる。腰を強くつかまれ、何度も奥へ押し込まれるうちに、彼の全身が震えた。直後、熱いものが一気に流れ込み、私の中に重たく残る。

生温かい感触。少し青っぽさを含んだ匂い。その匂いが、もともとの私の体臭と絡み合って、さらに逃げ場のない空気を作っていく。ひとつの匂いでは終わらない。重なって、絡まって、部屋の隅々にまでしみ込んでいく。

やがて、すべてが終わったあと、部屋には妙な静けさだけが残った。さっきまでの荒い呼吸も、湿った音も止まり、ただエアコンの低い唸りだけが耳に残る。田中さんは私の股のあいだに顔を置いたまま、しばらく動かなかった。

「……幸せだ。この匂いを嗅いでると、自分が生きてるって実感する」

その言葉を聞いたとき、私は少しだけ目を伏せた。昔の自分なら、理解できなかっただろう。自分を苦しめる原因だと思っていたものが、誰かにとっては生きている感触そのものになるなんて、あまりにも奇妙だったからだ。

それでも、私は彼の頭をそっと撫でた。中からあふれてくる熱をそのままにして、急いで片づけることもしない。しばらくはこのままでいい、と感じていた。

シャワーを浴びようと腰を上げると、彼はすぐに顔を上げて、子どものように懇願してきた。

「洗わないで。まだ、残しておいて」

その言い方は、少し切実だった。私の匂いを一滴でも逃したくない、そんな執念がにじんでいた。私は苦笑しながら、脱ぎ捨てた下着に視線を落とす。そこには、彼の熱と私の匂いが染み込んでいる。

洗い流してしまえば、きっと何もなかったように消える。けれど、消えないものもある。匂いは記憶に残る。身体にも残る。そして、誰かの中に居場所を作ることさえある。

私はそのまま、次の予約を確認した。明日も、明後日も、きっとまた誰かがこの部屋にやってくる。私の匂いを求めて、わざわざ時間を作り、ホテルの一室で息を荒くする男たちがいる。

かつてはコンプレックスでしかなかったこの臭いが、今では私をここにつなぎ止める、たしかな証拠になっていた。誰にも言えない。きれいな話でもない。けれど、私にとっては確かに現実だ。

デリヘル嬢として生きる私の、密室の中だけで繰り返される、匂いにまつわる告白。それが、私の仕事であり、私の居場所でもあった。

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