エロ体験談

忘年会の夜、私が落ちた相手

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執筆:編集部(原記事に基づく再編集) 編集部による品質基準審査済み

思い返すと、あの頃の私は失敗ばかりしていた。顔や体ばかりが先に目立って、肝心の中身はずっと後回しだったのだと思う。ここでは、ひとまず私を「N」と呼んでほしい。

見た目だけなら、たしかに悪くなかった。身長は170センチで、細いのに妙に存在感があると言われることが多かった。胸はかなり大きく、Hカップ。寝転んでも形が崩れにくくて、当時の私はそれを少し誇らしく思っていた。顔立ちも派手で、鼻筋は高く、目も大きい。顎は小さく、見る人によっては整いすぎて見えたかもしれない。ブラウンのロングヘアに軽いウェーブをかけて、いわゆるギャルっぽい雰囲気をまとっていた。

そのぶん、性格はかなりきつかった。おとなしい女の子には距離を置かれることもあったし、トイレですれ違っても、軽く会釈されるだけで終わることもあった。私はそれを気にしていないふりをしていたけれど、今ならわかる。あの頃の私は、かなり雑に生きていたのだ。

大学に入るまでは、あまり深く考えずに済んでいた。寄ってくる男は、だいたい下心が見え透いた口のうまい連中ばかりだったし、私もそれを見抜いているつもりで、結局は流されていた。ワンナイトの失敗は、両手では足りない。だから「ビッチ」と言われても、当時の私は強く否定できなかった。

今は二十代半ばで、子どもが四人いる。そこだけ聞くとずいぶん落ち着いたように見えるかもしれない。でも、最初のきっかけはやっぱり軽い出会いだった。キャンプファイヤーの夜、無理やりテントに連れ込まれて、最初は嫌だ嫌だと言っていたはずなのに、気づいたら相手の腕の中でぐずぐずになっていた。その次の週には同棲が始まり、いつの間にか妊娠して、卒業を待たずに結婚していた。

それでも今回は、旦那の話ではない。いまちょうど喧嘩中だから、あまり掘り返したくなかったのもある。だから、大学一年が終わる頃の、別の男の話をする。

その年の暮れ、忘年会が開かれることになった。私の大学は、いわゆるお金持ちの子が多かった。親にマンションの一室を与えられているやつもいたし、車を持っている学生も珍しくなかった。普段は誰かの家で宅飲みをすることが多かったけれど、その日はきちんと店を予約して、駅近くの鍋屋に集まることになった。

正直、その日のメンバーはあまり好きではなかった。中でも、ひときわしつこく私に絡んでくる男がいた。ユキヤという、私より背の低い男だ。顔立ちも冴えないし、くせ毛もひどい。なのに妙に自信だけはあって、周りには「いつか絶対落とす」とか言っていたらしい。そういうところが、余計に気に入らなかった。

ところが、その日のユキヤは少し違って見えた。飲み会が始まると、私に執着している感じをあまり出さず、むしろ「今、いい感じの子がいるんだよね」と、あっさりした顔で話してきたのだ。私はそれを聞いて、少し意外に思った。へえ、私の前でわざわざそんなことを言うなら、本当に別の相手がいるのかもしれない。そう思ったら、逆に興味が湧いてきた。

それまでの私は、ユキヤのことをまともに見たことがなかった。けれど、その夜は違った。普段は会話が続く前に終わってしまうのに、その日は妙に話が弾んだ。しかも、ただ口がうまいだけではない。言葉の選び方がうまく、間の取り方にも余裕があった。話題を次々に変えるのではなく、一つの話を少しずつ掘り下げていく感じがあった。たぶん、頭の回転が速いのだろう。

女慣れしているのも、なんとなく伝わってきた。私みたいなタイプを前にすると、たいていの男は焦って空回りする。でもユキヤは違った。自然体のまま、こちらの反応を見ながら距離を詰めてくる。あとになって考えると、あれは最初から仕組まれていたのかもしれない。気づいた時には、私はすでに彼の話に引き込まれていた。

気がつけば、その店での時間の半分以上をユキヤとの会話に使っていた。二次会は、たこ焼き居酒屋のような少し変わった店に移動した記憶がある。ただ、そこではもうあまり話さなかった。女同士で適当に相槌を打ちながら、どうでもいい話を流していた。三次会はカラオケだったけれど、私は翌日に実家へ帰る予定だったので、途中で抜けるつもりでいた。

そのとき、ユキヤも「俺も帰る」と言った。帰り支度をして店を出た私は、ひとりで駅へ向かっていた。すると、背後から足音が近づいてきた。振り返ると、ユキヤが息を切らして立っていた。夜気の中で、白い吐息がふっと浮かぶ。その光景だけは、今でも妙に鮮明だ。

「なに?」と笑いながら聞くと、ユキヤは少し照れたように、それでも妙に真剣な声で言った。「明日、実家に帰る前に、俺の部屋寄っていかない? Nと話してたら、なんか俺、賢くなれた気がするから」

その誘いは、いつもなら鼻で笑って終わるはずだった。なのに、その日は違った。ユキヤは妙に距離の詰め方が自然で、まるで女友達に話すみたいに私の横に並んでいた。それが、少し癇に障ったのだと思う。だから私は、「……少しだけなら」と答えてしまった。

ユキヤのアパートは駅から近い、という言い方もできる。でも実際は、電車の音がそのまま聞こえるくらい落ち着かない場所だった。扉は古く、閉まるたびに嫌な音を立てる。風呂場からは水滴の落ちる音がして、全体的に安っぽく、くたびれていた。女を連れ込むには、あまりに生活感がありすぎる部屋だった。だからこそ、私は少し油断していたのかもしれない。

部屋に入ると、ユキヤは妙に落ち着いた様子で「座って」と言った。そして机の上から取り出したのは、印刷されたレポートの資料だった。どこかのサイトをそのまま打ち出したような、少し雑な紙束だった。ちょうど私も同じ課題に苦しんでいたので、そこから話がまたつながった。

テーマは、日本のエンタメの歴史と変遷。地味で、眠くなるような課題だ。なのに、ユキヤはそれを妙に面白く話した。私はソファに腰を下ろし、気づけば彼の説明に耳を傾けていた。アルコールのせいで頭はふわふわしていて、言葉の細部までは覚えていない。ただ、肩が触れるくらいの距離に座っていたことだけは覚えている。

いつの間にか、ユキヤの手が腰に回っていた。「いい子、いるんじゃないの」と、私は半分ふざけて言った気がする。するとユキヤは、少しだけ声を落として、「N、キスしていい?」と、確かめるように言った。

その瞬間の私は、酔っていた。酔っていたせいで、怖さよりも、妙な面白さが先に来ていたのだと思う。だから私は、笑いながら「えー、なにそれ」と押しのけるような仕草をした。拒絶というより、じゃれ合いに近かった。

でもユキヤは、そこで引かなかった。「もう無理、我慢できない」と低く言って、私をソファに押し倒した。勢いはあったのに、乱暴一辺倒ではない。唇を重ねる動きはやけにうまくて、私は一瞬で混乱した。何が起きているのか理解する前に、何度も角度を変えて口づけられ、呼吸の仕方まで乱されていく。

正直、腹が立った。なのに、うまかった。悔しいくらいに。抵抗しようとしても、体のほうが先に熱を持ってしまう。ユキヤの手つきはしつこすぎず、それでいて逃がさない。腰に触れる指先が妙に的確で、私は次第に力を抜かれていった。

一度、なんとか顔を離して睨みつけた。するとユキヤは、ふっと真顔になって、耳元で「かわいい」と囁いた。その一言が、やけに甘かった。酔った頭には、まるで別の温度で届いてくる。

「まって、だめ」と言ったのは覚えている。でも、その声には張りがなかった。ユキヤはその弱さを見逃さず、もう一度唇を奪いながら、私をさらに深く引きずり込んでいった。

それから先のことは、細かい順番よりも、熱と羞恥の記憶のほうが強い。気づけば服はほとんどなくなっていて、私はベッドの前で、妙に強がった姿勢のまま立っていた。ユキヤは私の体を見上げて、胸の大きさを半ば呆れたように、半ば嬉しそうに確かめていた。

ベッドは古く、二人で使うには狭かった。少し動くだけでギシギシと音が鳴る。そんな安っぽい寝具の上で、私は自分でも信じられないくらい、挑発的な態度を取っていた。強気な言葉を吐きながら、内心ではもう引けなくなっていたのだ。

ユキヤは小柄だった。なのに、見せたものは妙に大きく、妙に存在感があった。見た瞬間、私は少しだけ怯んだ。けれど、その反応を悟られたくなくて、わざと乱暴な言葉を返した。今思えば、あれも私の悪い癖だった。怖いときほど、強がってしまう。

準備を進めるユキヤの手は、意外なほど不器用だった。さっきまでの余裕はどこへ行ったのか、ゴムを開けるだけでも少しもたついている。その様子を見て、私は少しだけ安心した。完璧な男ではない。その事実に、どこか救われたのだと思う。

そして、ある一言が出た。

「俺が先にいかせたら、ゴムなしにしていい?」

一字一句は正確じゃないかもしれない。でも、そんな意味のことを、ユキヤは妙に落ち着いた声で言った。私は一瞬、意味が飲み込めなかった。けれど、すぐに反射で「は?」と返していた。

今なら、あれはかなり危ない誘いだったとわかる。けれど当時の私は、勝負事に弱いくせに勝ち気で、売られた喧嘩は買う性格だった。ユキヤはたぶん、それを見抜いていたのだろう。「今月のバイト代、二十万稼いだ」とか、妙に具体的な数字を出してきて、先にいったら全部やる、なんて言うものだから、私は余計に引けなくなった。

「ぜってー忘れんなよ?」

そう言って、私は勢いだけでうなずいてしまった。今考えると、完全に相手の土俵だったのに、当時は自分が優位に立っているつもりだった。顔も体も自信があったし、ユキヤのほうが緊張しているように見えたからだ。

けれど、結果はあっさりしていた。ベッドの軋む音が、だんだん耳につく。ユキヤの動きは、見た目の頼りなさとは裏腹に、驚くほど的確だった。深く、しつこく、逃げ場を与えない。私は強がっていたはずなのに、いつの間にか声が裏返り、呼吸も乱れていった。

「もういくの?」「いってねえって!」と、私は必死に否定していた。でも、腰は勝手に逃げていたらしい。ユキヤはそれを見逃さず、笑いながらさらに追い込んでくる。私は悔しくて、恥ずかしくて、でも止められなかった。

気づけば、私は何度も許しを請うような声を出していた。年末の静かな夜、くたびれたアパートの一室で、こんなふうに乱されるなんて思ってもみなかった。ユキヤは私の反応を見ながら、どこか楽しそうに、でも手加減なく進めてくる。私は完全に、あの部屋の空気に飲まれていた。

それは、ただ気持ちよかったというだけの話ではない。悔しさ、油断、見栄、好奇心、全部が一緒くたになって、私の中でぐちゃぐちゃに溶けていた。あの夜の私は、たぶん自分で思っていたよりずっと脆かった。そしてユキヤは、その脆さを見つけるのがうまかった。

このあと何があったのか、細部まで並べるつもりはない。ただ、あの夜を境に、私は「見た目がいいから何とかなる」という雑な考えを少しだけ捨てることになった。相手の言葉に乗ること、乗せられること、勝ち負けの感覚で近づいてくる男の怖さ。そういうものを、遅ればせながら知ったのだと思う。

それでも、あの一夜を単純に後悔しているわけでもない。むしろ、あの頃の自分の浅さや危うさを、今では少し面白く振り返れる。痛い思いをしたからこそ、ようやく見えたものもあった。あの夜の私は、たしかに愚かだった。けれど、あの愚かさごと、もう一人の私として残っている。

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