こんにちは、ゆりです。前回の出来事を読んでくださった方、ありがとうございました。
今回は、前に一度だけ関係を持った純君と、大学の教室で再び会った日のことを書きます。あの夜の感触は、思い出すたびに体の奥をじんわり熱くしました。口の中に残るような記憶って、あるんですね。家に帰ってからも何度もひとりで思い返してしまって、気づけば指先まで落ち着かなくなっていました。
だから次の週、私はまた同じ時間に大学へ向かいました。連絡先は交換していなかったので、会える可能性があるのは前と同じ曜日、同じ頃合いしかない。少し頼りない賭けでしたが、なぜか外れる気がしませんでした。
その日の私は、白いオフショルダーのブラウスに、淡いピンクの短いスカート。足元は白のニーハイソックスで、下着は水色の細い布にしました。自分でもわかるくらい、いつもより少しだけ大胆でした。誰かに見せるつもりなんてないのに、見られたらいいと思ってしまう。そんな気分の日でした。
図書館へ入ると、前に座っていた席に純君がいました。あのときと同じように本を開いていて、見つけた瞬間、胸がひゅっと縮みました。
私は迷わず隣に座りました。
「純君、また会えたね」
彼は顔を上げて、少しだけ目を見開きました。
「あ、ゆ……ゆりちゃん」
「なんで同じところにいるの?」
「先週ここで会えたから、もしかしたらって思って……」
その答えが妙にかわいくて、私は思わず笑ってしまいました。自分と同じことを考えてくれていたのが、素直にうれしかったのです。
「また私と、えっちなことしたかったの?」
「いや、そ、そういう意味じゃ……」
「ふふ。いいよ。私も、そういう気分だったの」
図書館の静けさの中で、私たちは小さな声で話していました。でも、言葉の温度だけはやけに熱かったです。
「前より、もっとイイコトしようよ」
「い、いいこと?」
「A館の空き教室とか」
人目のある場所でこそこそするのも好きでしたが、私はもっと大胆に、二人きりで気持ちを重ねたくなっていました。純君も少し戸惑いながら頷き、私たちは図書館を抜けてA館へ向かいました。
A館は大きな建物で、上の階ほど教室が小さく、授業で使われることも少ない場所です。午後の早い時間なら、まず誰もいない。そんな見込みがありました。
エレベーターで十五階へ上がると、予想通り、廊下には人気がありませんでした。教室の扉もほとんど閉まったまま。私は奥の一室に入り、念のため鍵をかけました。
「ふたりっきりだね」
「う、うん」
私は机の上に腰を下ろしました。少し高い位置から彼を見下ろす形になって、それだけで妙に気分が高まりました。
「私、見られるの好きなの」
「誰かに、えっちなところを見られると興奮するの」
「だから純君も、ちゃんと見て」
そう言うと、私は両足を上げて、わざと開きました。スカートの内側があらわになり、薄い布越しに熱が伝わっているのが自分でもわかります。
純君は、目を逸らせないまま固まっていました。息をのむ気配が、すぐ近くにありました。
「はぁ……」
「そんなに見てると、もっと濡れちゃう」
私はわざと少し身をよじりました。すると彼の視線がさらに熱を帯びたように感じられて、胸の奥がきゅっと締まりました。
「ねえ、脱がせて」
「え、いいの?」
「うん。脱がせてほしい」
純君が慎重に手を伸ばし、私は腰を少し上げて脱ぎやすいようにしました。布がするりと下りた瞬間、空気が肌に触れて、ぞくりとしました。
「見て、純君」
「……すごい、えろい」
その一言で、私の中の火がさらに強くなりました。見られている。ちゃんと見られている。その事実だけで、体がやわらかくほどけていくようでした。
「舐めて」
私がそう頼むと、純君は少し驚いた顔をしながらも、ゆっくり私の間に顔を寄せました。荒くなった息が、そこにふわりと触れます。
舌先がそっと触れた瞬間、私は机を掴みました。最初は遠慮がちだった動きが、少しずつ丁寧になっていきます。下から上へ、確かめるように、何度も。
「あっ……そこ……」
「んっ……」
湿った音が、小さく教室に広がりました。誰もいない空間に、その音だけがやけに鮮やかに響きます。私は背中を反らせ、熱が溜まっていくのを感じていました。
「気持ちいい……もっと」
彼は私の反応を見ながら、少しずつ動きを速めました。舌が触れるたび、体の奥がきゅんと縮み、思わず声が漏れます。自分でも抑えきれないほどでした。
やがて、我慢していたものが一気にほどけるように、強い波が押し寄せました。
「あぁっ……!」
肩が震え、足先まで痺れるような感覚に包まれます。しばらく私は、机に手をついたまま息を整えることしかできませんでした。
純君も顔を上げ、少し照れたように私を見ました。私は頬が熱いまま、彼の膨らんだ下半身に手を伸ばします。
「次は、純君の番だよ」
「え……いいの?」
「もちろん。私が気持ちよくしてあげる」
彼は少し戸惑っていましたが、やがて頷きました。私は机から降り、今度は彼の前に膝をつきました。慣れない相手を前にした彼は緊張していたけれど、その緊張ごと受け止めたくなりました。
私はゆっくりと口を寄せ、丁寧に唇で包みました。彼の体がびくりと反応します。私は焦らず、少しずつ、呼吸を合わせるように動きました。
「ちゃんと、きれいにしてあげる」
そう囁くと、純君は息を詰めたまま、私を見つめました。私は舌を使って丁寧に確かめながら、彼の反応をひとつひとつ拾っていきます。遠慮がちな震えが、だんだん熱に変わっていくのがわかりました。
やがて彼は限界が近いようで、肩に力が入っていました。私はその変化を見逃さず、最後まで落ち着いたまま受け止めました。
しばらくして、彼は大きく息を吐き、私の肩に手を置きました。私はゆっくり顔を上げ、彼の目を見ました。
「気持ちよかった?」
「……うん、すごく」
その素直な返事がうれしくて、私は笑ってしまいました。少し恥ずかしそうな彼の表情も、なんだか愛しく見えました。
それから私たちは、もっと近くで触れ合うことにしました。私は机に手をつき、後ろを向くような形で体を預けます。スカートを持ち上げると、彼の視線がそこに集まりました。
「後ろから、来て」
純君はぎこちなく頷き、ゆっくりと距離を詰めました。最初は動きが不慣れで、私も少しだけ息を止めましたが、身体が重なるにつれて、少しずつ熱が馴染んでいきます。
「ゆっくりでいいよ」
「うん……」
彼の動きは最初こそ探るようでしたが、次第にリズムを覚えていきました。教室の静けさの中で、衣擦れと息づかいだけが重なっていきます。私はそのたびに背中を小さく震わせ、彼の名前を何度も呼びました。
「純君……」
「ゆりちゃん……」
その呼び方だけで、胸が熱くなりました。ぎこちないのに真剣で、真面目なのに必死で、その不器用さがたまらなく愛おしかったのです。
やがて彼の呼吸が荒くなり、肩が大きく上下しはじめました。私はそれを感じて、彼の背中に手を添えました。
「そのままでいいよ」
「……もう、だめかも」
「いいよ。好きにして」
彼は最後にぐっと力を込めて、私を抱き寄せるようにして動きを止めました。私は目を閉じ、彼の体温をそのまま受け止めました。熱がゆっくりと引いていく感覚まで、全部が鮮明でした。
しばらくしてから、純君は私の背中にそっと寄りかかるようにして、深く息を吐きました。私はそのまま振り返り、少し乱れた髪を直してあげます。
「初めてなのに、よく頑張ったね」
「……ありがとう」
「こっちこそ。来てくれてうれしかった」
私たちは笑い合いました。さっきまでの熱が嘘みたいに、教室の空気は静かで、でもどこかやさしかったです。
服を整えて教室を出る頃には、もう夕方が近づいていました。そのあと連絡先を交換して、何度か会うようになりました。恋人という形ではなかったけれど、会うたびに少しずつ距離が縮まっていくのがわかって、それもまた嬉しかったです。
あの日のことは、今でもよく覚えています。誰にも見つからないはずの教室で、ふたりだけの時間が静かに熱を持っていたこと。あの緊張と高揚が混ざった空気は、たぶんずっと忘れないと思います。
読んでくれてありがとうございました。続きも、また書くかもしれません。
—終わり—